暑くなってきましたので、
夏の絵のメイキングをしたいと思います。

夜の浜辺で花火を描きたいと思って構図を起こしました。
中望遠のレンズで背景や花火の一部をボカしつつ、長時間露出でしか撮れない
花火の軌跡を両立させます。
これは絵でしか表現できないので、やってみたいと思っていた手法です。

クリンナップと基礎塗りです。
この白ワンピース、意外とレース生地が多く使われているんです。
背景は珍しく線画無しで塗っていきます。
暗くて色の差別化が難しい…

1影状態。キャラクターの基礎塗りが昼の色だったので、
ある程度暗くしてます。それでもまだまだキャラクターが浮いてます。

2影、3影、ハイライト、照り返し等、一通りの着色をしました。
背景はいつもよりは手抜きですが、これからボカすのでヨシ!
花火という光源がないのに光源からの光を受けている状態、
なんか見ていて落ち着きません。

花火の軌跡を描き入れ、背景をボカします。
花火の線は、火薬の種類によってはもっと多かったり複雑な動きをしたり
するんだと思います。調べても全然わからんかった!
背景ボカしはPhotoshopのレンズボカシを活用します。
それでも狙った通りの玉ボケを作るにはさらに大きくボカす必要があったので、
ある程度の玉ボケは手描きしてます。
キャラクターですが、明るい部分のシルエットを用意して、
オレンジ色を薄く載せます。まだまだ白っぽかったですから。

最後に花火の玉ボケ、火花、煙などを描いて完成です。
花火の玉ボケなんてシャッター速度が速くないと撮れないので、
本来両立しない表現ですが、レンズフレア的な意味合いも含んだ演出です。
スクリーンや覆い焼きレイヤーをここぞとばかりに増やしました。
暗い画面を華やかにしてくれる!
このイラストは前回の本の中では一番早く描けました。
キャラクターも背景も簡素だし、演出多めなので。
時間のかからない1枚絵、楽しすぎる。